2013年5月17日金曜日

下腿の筋(Muscles of lower leg)




●下腿の伸筋群(下腿の前面に位置。全て下腿骨間膜から起始。すべて深腓骨神経支配。)
前脛骨筋
起始:脛骨外側面、下腿骨間膜
停止:内側楔状骨、第1中足骨底(底面)
支配神経:深腓骨神経
作用:足関節背屈・内反
※足を固定すると、下腿を前に傾ける。
※歩行時に、足を前に出すときには足関節を背屈し、足先が地面をすらないようにする。

長母指伸筋
起始:腓骨内側面、下腿骨間膜
停止:足背の母指末節骨底
支配神経:深腓骨神経
作用:母指の伸展、足関節背屈・内反
※足首で長母指伸筋のすぐ外側に足背動脈の拍動を触れる。

長指伸筋
起始:脛骨外側顆、腓骨内側面、下腿骨間膜
停止:第25指の指背腱膜に移行し、中節骨と末節骨に終わる。
支配神経:深腓骨神経
作用:第25指の伸展、足関節背屈・外反

3腓骨筋
起始:腓骨内側面、下腿骨間膜
停止:第5中足骨底(背面)
支配神経:深腓骨神経
作用:足関節背屈・外反
※ときに欠如することもある。






●腓骨筋群(下腿の外側に位置。全て浅腓骨神経支配で足関節の底屈・外反に作用)
※腓骨の外側にあり、伸筋群や屈筋群とは前・後下腿筋間中隔により境される。
※これらの筋の腱は外果の後ろで上腓骨筋支帯と下腓骨筋支帯により保持される。
※平坦でない道を歩くとき、足底を地面にうまく接触させるために外反と内反の微妙な調節が必要。
長腓骨筋
起始:腓骨頭、腓骨上部の外側面
停止:内側楔状骨、第1中足骨底(底面)
支配神経:浅腓骨神経
作用:足関節底屈・外反
※前脛骨筋と拮抗する作用を行う。

短腓骨筋
起始:腓骨下部外側面
停止:第5中足骨粗面
支配神経:浅腓骨神経
作用:足関節底屈・外反





●下腿の屈筋群(下腿の後面に位置。すべて脛骨神経支配。)
下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋の総称)
※腓腹筋とヒラメ筋は合して踵骨腱(アキレス腱)をつくる。踵骨腱(アキレス腱)は体内におけるもっとも強大な腱で、下腿のほぼ中央から始まり踵に停止する。
※下腿三頭筋の拘縮や短縮⇒尖足(足関節が底屈位に固定される)
※下腿三頭筋の麻痺⇒踵足(背屈筋のみが働き、足関節が背屈位に固定。)
※アキレス腱の断裂は頻度の高い外傷。走ったり、跳躍時のスポーツ外傷。

腓腹筋
起始:外側頭-大腿骨の外側上顆、内側頭-大腿骨の内側上顆
停止:踵骨腱(アキレス腱)をつくり、踵骨隆起に終わる。
支配神経:脛骨神経
作用:足関節底屈、膝関節屈曲
※膝を屈曲しているときは腓腹筋は十分働かない。

ヒラメ筋
起始:腓骨頭、脛骨のヒラメ筋線
停止:踵骨腱(アキレス腱)をつくり、踵骨隆起に終わる。
支配神経:脛骨神経
作用:足関節底屈

足底筋
起始:大腿骨外側上顆
停止:踵骨腱(アキレス腱)の内側縁に癒合
支配神経:脛骨神経
作用:下腿三頭筋の働きを助ける。
※欠如することもあり、その力は極めて小さい。
※腱の自家移植に利用される。

膝窩筋
起始:大腿骨外側上顆
停止:脛骨上部後面(ヒラメ筋線の上)
支配神経:脛骨神経
作用:膝関節屈曲・内旋
※膝関節を伸展位から屈曲するときに、初期動作である内旋運動を行う。

長母指屈筋
起始:腓骨下部後面
停止:母指末節骨底
支配神経:脛骨神経
作用:母指の屈曲、足関節底屈・内反
※内果と踵骨の間を橋渡しする屈筋支帯により、腱は保持される。
※縦足弓(足の縦アーチ)の維持を助ける。

長指屈筋
起始:脛骨後面
停止:第25指の末節骨底
支配神経:脛骨神経
作用:第25指の屈曲、足関節底屈・内反
※内果と踵骨の間を橋渡しする屈筋支帯により、腱は保持される。
※縦足弓(足の縦アーチ)の維持を助ける。

後脛骨筋
起始:下腿骨間膜の後面
停止:舟状骨、全楔状骨、立方骨、第24指の中足骨底
支配神経:脛骨神経
作用:足関節底屈・内反
※内果と踵骨の間を橋渡しする屈筋支帯により、腱は保持される。
※縦足弓(足の縦アーチ)の内側部を高く保つ働きをもつ。