2013年11月28日木曜日

中殿筋の機能不全による検査『トレンデレンブルグ徴候(Trendelenburg test)』

『トレンデレンブルグ徴候(Trendelenburg test)』は中殿筋機能不全を確認するテスト。


患側肢で片脚起立した際、健側の骨盤が下がるとトレンデレンブルグ徴候は陽性と判定される。中殿筋による骨盤の外側からの支持が十分でないことによる。先天性股関節脱臼、中殿筋麻痺などの疾患でみられる。







<参考>

股関節病変、仙腸関節、腸腰筋に対する検査『パトリックテスト(Patrick test)(4の字テスト)』

『パトリックテスト(Patrick test)(4の字テスト)』は仙腸関節や腸腰筋、股関節(とくに変形性股関節症)の病変を確認するテスト。


股関節を他動的に屈曲、外転、外旋させて、その脚の外果を他側の伸展した下肢の膝の上にのせる。検者は、検査する側の膝の内側に手を当て、外方に圧迫する。疼痛の為、膝の外側が台につかない場合を陽性とし、疼痛の部位によって仙腸関節や腸腰筋、股関節(とくに変形性股関節症)の病変などが疑われる。







<参考>

股関節屈曲拘縮に対する検査『トーマステスト(Thomas test)』

『トーマステスト(Thomas test)』は股関節屈曲拘縮の有無を確認するテスト。


患者を仰臥位とし、片方ずつ膝を胸につけるように両手で抱かせる。この肢位で、屈曲していない方の大腿がベッドから離れたら陽性とする。大腿四頭筋の筋緊張が触れる場合、大腿直筋による拘縮が示唆される。もし大腿直筋に緊張が触れなければ、股関節の構造もしくは関節包が原因と考えられる。






<参考>

2013年11月1日金曜日

腰椎椎間板ヘルニア(L3~4)に対する検査『大腿神経伸展テスト(Femoral Nerve Traction Test)』(動画付き)

『大腿神経伸展テスト(Femoral Nerve Traction Test)』はL3~4間の神経根症状を確認するテスト。


患者を腹臥位とし膝関節を屈曲させ、股関節を伸展した時、大腿前面に痛みが生じると陽性である。疼痛が生じる場合、上位腰椎(L3,L4)の椎間板ヘルニアが疑われる。






<参考>

腰椎椎間板ヘルニアに対する検査『上殿神経域圧迫テスト』

『上殿神経域圧迫テスト』は上殿神経の支配領域の易刺激性を確認するテスト。


上殿神経は梨状筋上孔から出て、腸骨稜に沿って殿部の深層を横に下外方に走る。殿部を4等分し、外上方1/4の領域の中央部の圧痛の有無を調べる。腰椎椎間板ヘルニアでは両側に圧痛を訴えるが、ヘルニアのある側で顕著である。



<参考>

坐骨神経根(L4~5、L5~S1)に対する検査『ガワース・ブラガード徴候(Bragard’s test)』(動画付き)

『ガワース・ブラガード徴候(Bragard’s test)』はL4~S1間の神経根症状や椎間関節障害、ハムストリングスの緊張度合いを確認するテスト。


仰臥位で患者の脚を痛みがでるまで持ち上げる。次に脚を5°下げて、足関節を背屈させる。下肢挙上や足関節背屈は坐骨神経を牽引する。下肢挙上0°~35°の間で足関節背屈により痛みが誘発されれば、坐骨神経の硬膜外からの刺激が疑われる。下肢挙上35°~70°の間で足関節背屈により痛みが誘発されれば、硬膜内からの坐骨神経根の刺激が疑われる。普通は椎間板によるものである。大腿後部の鈍い痛みはハムストリングスの緊張を示す。






<参考>