2013年10月28日月曜日

坐骨神経痛に対する検査『ボンネットテスト(Bonnet test)もしくは梨状筋伸展テスト(Piriformis test)』

『ボンネットテスト(Bonnet test)もしくは梨状筋伸展テスト(Piriformis test)』は梨状筋部で坐骨神経にストレスをかけて坐骨神経痛の有無を確認するテスト


仰臥位で、股関節と膝関節を直角に曲げ、股関節の内旋・内転を強制する。大転子の後方で、坐骨神経が骨盤より出てくる部分に疼痛を訴える。ラセーグテストの増強法とみられ、坐骨神経痛で陽性になる。





動画では8分51秒ほどからボンネットテストがはじまります。膝関節伸展位にて実施しています。


こちらは梨状筋伸展テスト(Piriformis test)


<参考>

腰椎椎間板ヘルニア(L4~5、L5~S1)および坐骨神経痛に対する検査『下肢進展挙上(SLR)テスト(Straight Leg Raising test)』(動画付き)

『下肢進展挙上(SLR)テスト(Straight Leg Raising test)』はL4~S1間の神経根症状や椎間関節障害、ハムストリングスの緊張度合いを確認するテスト。


仰臥位にして、下肢を伸展させたまま股関節を屈曲し、大腿後面の放散痛を調べる。このテストは主として、坐骨神経とL4~S1間の神経根を伸展する。股関節屈曲70°~90°の間でこれらの神経は完全に伸展する。もし70°以上で痛みが起きれば、腰椎椎間関節の痛みを疑う。股関節屈曲35°~70°で椎間板上で坐骨神経根が緊張する。この角度から放散痛が始まれば、椎間板病変による坐骨神経根の刺激を疑う。股関節屈曲0°~35°では硬膜の動きがないので、坐骨神経は比較的ゆったりしている。もし、この角度内で痛みが始まれば、硬膜外の病変が疑われる。たとえば梨状筋の痙攣あるいは仙腸関節の病変である。また、大腿後面に鈍い痛みがあれば、ハムストリングスの過緊張を疑う。







<参考>

肩関節の滑液包炎および肩回旋筋腱板損傷に対する検査『ダウバーン徴候(Dawbarn’s test)』(動画付き)

『ダウバーン徴候(Dawbarn’s test)』は肩回旋筋腱板(ローテーターカフ)損傷や肩峰下滑液包、三角筋下滑液包の炎症を確認するテスト。


上肢下垂位にて肩峰下部に圧痛があるが、他動的に90°外転すると圧痛が消失する。これは肩関節の外転により、肩峰下滑液包と大結節部が肩峰の下に滑り込み、当該部への圧が減少するためである。三角筋下滑液包炎、肩峰下滑液包炎または肩回旋筋腱板損傷のときにみられる徴候である。







<参考>

2013年10月25日金曜日

肩峰下のインピンジメントに対する検査『ニアーインピンジメント徴候(Neer Impingement Sign)』(動画付き)

『ニアーインピンジメント徴候(Neer Impingement Sign)』は肩峰と大結節間を狭めることで、その間に挟まれる棘上筋腱の損傷を確認するテスト。


検者は患者の側方から片手で肩甲骨を固定し、上腕を内旋位、かつ肩甲骨平面位で外転挙上させ、大結節を肩峰下に押しつけるようにして疼痛とクリック音の誘発があるかを確認する。肩の痛みと患者の不安定な表情は検査が陽性であることを示し、棘上筋腱や上腕二頭筋長頭腱の損傷が疑われる。







<参考>

棘上筋腱損傷に対する検査『ペインフルアーク徴候』(動画付き)

『ペインフルアーク徴候』は肩峰下での棘上筋腱の損傷を確認するテスト。


肩関節を他動的に外転すると、外転60°~120°の範囲で疼痛が強く、さらに外転すれば痛みはなくなるが、最大側方挙上からしだいに上腕を対側に下げていくと、外転120°~60°の範囲でふたたび疼痛を訴える。棘上筋腱損傷時にみられる徴候である。







<参考>

2013年10月24日木曜日

上腕二頭筋長頭腱に対する検査『上腕二頭筋長頭腱伸展テスト』

『上腕二頭筋長頭腱伸展テスト』は上腕二頭筋長頭腱の炎症を確認するテスト。


検者が患者の肘を持ち、肘関節伸展で上肢を後方に挙上させて肩関節部に痛みを生じたとき、さらに腕の力を抜いて肘を屈曲させると疼痛が消失するのを上腕二頭筋長頭腱伸展テスト陽性とする。上腕二頭筋長頭腱の腱鞘炎を示唆する。




<参考>

2013年10月21日月曜日

上腕二頭筋長頭腱に対する検査『ヤーガソンテスト(Yergason’s test)』(動画付き)

『ヤーガソンテスト(Yergason’s test)』は上腕二頭筋長頭腱の炎症を調べるテスト。


肘を90°屈曲させ、検者が肘を保持し、患者の前腕を回内位に保つ。検者の力に対抗して前腕を回外させ、肩関節部に痛みが生ずるものをヤーガソンテスト陽性とする。この運動は結節間溝部での上腕二頭筋長頭腱や上腕横靭帯にストレスを加えることになり、同部での局所痛は上腕二頭筋長頭腱の炎症の徴候である。








<参考>

2013年10月19日土曜日

胸郭出口症候群(過外転症候群)に対する検査『ライトテスト(Wright’s test)』(動画付き)

『ライトテスト(Wright’s test)』は小胸筋と胸郭の間での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼に対するテスト。


橈骨動脈の拍動を触診した状態で、上肢を過外転させて小胸筋を緊張させたり、肋鎖間隙を狭くする。この時に、橈骨動脈の脈拍が減弱したり停止したり、手のしびれや冷感が強まったりした場合に陽性とし、小胸筋と胸郭の間での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼が疑われる。健常者でもかなり高率に陽性所見がみられるので注意する。








<参考>

胸郭出口症候群(肋鎖症候群)に対する検査『エデンテスト(Eden test)』(動画付き)

『エデンテスト(Eden test)』は肋鎖間隙部での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼に対するテスト。


橈骨動脈の拍動を触診した状態で、上肢を後下方に引き下げて肋鎖間隙を狭くする。この時に、橈骨動脈の脈拍が減弱したり停止したり、手のしびれや冷感が強まったりした場合に陽性とする。肋鎖間隙部での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼が疑われる。





エデンテストは2分58秒ほどから始まります。



<参考>

2013年10月18日金曜日

胸郭出口症候群(斜角筋症候群)に対する検査『アドソンテスト(Adson test)』(動画付き)

『アドソンテスト(Adson test)』は斜角筋部での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼に対するテスト。


橈骨動脈の拍動を触診した状態で、頸部を軽く後屈、患側へ回旋し、深呼吸させ斜角筋緊張肢位をとらせる。陽性の場合、症状の再現および橈骨動脈の微弱化をが確認でき、斜角筋部での腕神経叢もしくは鎖骨下動・静脈の絞扼が疑われる。健常者でもかなり高率に陽性所見がみられるので注意する。








<参考>

2013年10月17日木曜日

胸郭出口症候群に対する検査『モーレイテスト(Morley test)』(動画付き)

『モーレイテスト(Morley test)』は腕神経叢の圧迫による易刺激性を確認する検査。


前斜角筋部を圧迫し、神経を圧迫することによって疼痛の誘発を調べる。








<参考>

2013年10月10日木曜日

頸部の脊髄神経根テスト『イートンテスト(Eaton Test)』

『イートンテスト(Eaton Test)』は、頸部の脊髄神経根の圧迫症状や神経と周辺組織の癒着に対するテスト。


頭部を健側に屈し、助手が頭部と健側の肩を固定する。検者が患側上肢を斜下方に引っ張る。本検査を1人で行う場合は、検者が患者の背後に立ち、一方の手で頭部を健側に傾けて固定し、他方の手で患者の手首を持って後方挙上するとともに、手関節を背屈する。頸部脊髄神経根から末梢神経の通過する経路のどこかで神経が圧迫されていたり、神経と周辺組織が癒着していたりすると、著しい疼痛が放散する。



(図:『臨床医学総論第2版』より)






<参考>

2013年10月9日水曜日

頸部の脊髄神経根テスト『肩押し下げ検査法(shoulder depression test)』(動画付き)

『肩押し下げ検査法(shoulder depression test)』は、頸部の脊髄神経根の圧迫、伸展症状に対するテスト。


検者は患者の背部に立ち、患者の頭を一側に傾けて、反対側の肩を押し下げる。この検査法で根性疼痛が増強すれば、神経根を包む硬膜鞘や付近の関節包の癒着、または椎間孔の骨棘形成などにより、神経根が刺激もしくは圧迫、伸展されていることを示す。









<参考>

頸部の脊髄神経根テスト『スパーリングテスト(Spurling Test)』(動画付き)

『スパーリングテスト(Spurling Test)』は、頸部の脊髄神経根の圧迫症状に対するテスト。


頭部を患側に倒し、前頭部を圧迫する。神経根への圧迫があると、患側上肢へ放散痛、しびれ感が生ずる。









<参考>

頸部の脊髄神経根テスト ジャクソンテスト(Jackson test)』(動画付き)

『ジャクソンテスト(Jackson test)』は、頸部の脊髄神経根の圧迫症状や椎間関節包の癒着に対するテスト。


検者は患者の後方に立って一側の手掌を前頭部へ当て、肩を押し下げる。神経根や椎間関節包の癒着や、神経根への圧迫があると、患側上肢への放散痛が生ずる。







<参考>