2014年3月21日金曜日

第22回 はり師・きゅう師国家試験問題の解答と解説(経絡経穴概論)

平成26年2月に実施された第22回 はり師・きゅう師国家試験問題の中から経絡経穴概論に関係する問題の解答と解説をまとめました。







●問106所属経脈が表裏関係にあるのはどれか。
1.手三里と足三里
2.足通谷と腹通谷
3.頭臨泣と足臨泣
4.腰陽関と膝陽関




解答
2

解説
1.手三里は大腸経、足三里は胃経
2.足通谷は膀胱経、腹通谷は腎経
3.頭臨泣は胆経、足臨泣は胆経
4.腰陽関は督脈、膝陽関は胆経



●問107経脈間の接続とその部位との組合せで正しいのはどれか。
1.小腸経から膀胱経―――鼻翼外方
2.脾経から心経―――――側胸部
3.腎経から心包経――――心中
4.三焦経から胆経――――外眼角




解答
4

解説
1.小腸経と膀胱経の接続は内眼角
2.脾経と心経の接続は心中
3.腎経と心包経の接続は胸中
4.三焦径と胆経の接続は外眼角



●問108小円筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋のすべてを流注するのはどれか。
1.手の太陽経
2.手の少陰経
3.手の少陽経
4.足の陽明経




解答
1

解説
小円筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋に関係するそれぞれの経穴は以下のとおり
1.手の太陽小腸経においては小円筋:肩貞、肩甲挙筋:肩外兪・肩中兪、肩甲挙筋:天窓・天容
2.手の少陰心包経ではすべての筋において該当経穴はなし
3.手の少陽三焦経においては小円筋:なし、肩甲挙筋:なし(もしくは天髎)、肩甲挙筋:天牖
4.足の陽明胃経においては小円筋・肩甲挙筋:なし、肩甲挙筋:(人迎)・水突



●問109足の陽明経の穴の部位はどれか。
1.薄筋と縫工筋の間
2.縫工筋と長内転筋の間
3.大腿二頭筋と半腱様筋の間
4.外側広筋と大腿直筋腱の間




解答
4

解説
足の陽明胃経の郄穴は梁丘(膝蓋骨底の上方2寸、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間)
1.陰包(肝経)がある
2.箕門(脾経)がある
3.殷門(膀胱経)がある
4.梁丘(胃経)の位置にあたり、これが正解



●問110骨度が最も短いのはどれか。
1.大陵から間使
2.建里から腹哀
3.外果尖から懸鍾
4.前髪際から承光




解答
4

解説
1.大陵(手関節掌側横紋上)、間使(手関節掌側横紋の上方3寸)よって2穴間は3
2.建里(前正中線上、臍の上方3寸)、腹哀(前正中線外方4寸、臍の上方3寸の高さ)よって2穴間は4
3.懸鍾は外果尖の上方3
4.承光は前髪際の後方25



●問111経穴部位で誤っているのはどれか。
1.和は頬骨弓後端の上縁にある。
2.肘は上腕骨外側上顆上際の前縁にある。
3.次は仙骨部で上後腸骨棘の頂点の高さにある。
4.肩は肩峰角と上腕骨大結節の間にある。




解答
3

解説
1.和髎は頬骨弓後端の上縁
2.肘髎は上腕骨外側上顆際の前縁
3.次髎は仙骨部で上後腸骨棘下縁の高さで上後腸骨棘と正中仙骨稜とのほぼ中間
4.肩髎は肩峰角と上腕骨大結節の間



●問112経穴で同じ高さに並ぶのはどれか。
1.眉衝と本神
2.脳戸と絡却
3.水突と扶突
4.風門と陶道




解答
1

解説
1.眉衝、本神とも前髪際の後方5
2.脳戸(外後頭隆起上方の陥凹部)、絡却(前髪際の後方55分の高さ)
3.水突(輪状軟骨と同じ高さ)、 扶突(甲状軟骨上縁の高さ)
4.風門(第2胸椎棘突起下縁の高さ)、陶道(第1胸椎棘突起下縁の高さ)








●問113玉堂と同じ高さにあるのはどれか。
1.神封
2.乳根
3.霊墟
4.庫房




解答
3

解説
玉堂(任脈)は前正中線上で第3肋間の高さ
1.神封(腎経)は前正中線外方2寸、第4肋間の高さ
2.乳根(胃経)は前正中線外方4寸、第5肋間の高さ
3.霊墟(腎経)は前正中線外方2寸、第3肋間の高さ
4.庫房(胃経)は前正中線外方4寸、第1肋間の高さ



●問114肩甲骨上角の上方陥凹部に位置するのはどれか。
1.曲垣
2.肩外兪
3.天
4.肩井




解答
3

解説
1.曲垣(小腸経)は肩甲棘内端の上方陥凹部
2.肩外兪(小腸経)は第1胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方3
3.天髎(三焦経)は肩甲骨上角の上方陥凹部
4.肩井(胆経)は第7頸椎棘突起と肩峰外端を結ぶ線上の中点



●問115取穴法で正しいのはどれか。
1.支正は陽谷の上方4寸に取る。
2.三陽絡は陽池の上方4寸に取る。
3.温溜は陽渓の上方4寸に取る。
4.孔最は太淵の上方4寸に取る。




解答
2

解説
1.支正(小腸経)は陽谷の上方5
2.三陽絡(三焦経)は陽池の上方4
3.温溜(胃経)は陽渓の上方5
4.孔最(肺経)は太淵の上方7



●問116経穴と動脈との組合せで正しいのはどれか。
1.足五里――――大腿動脈
2.合谷―――――尺骨動脈
3.豊隆―――――後脛骨動脈
4.聴会―――――顔面動脈




解答
1

解説
1.足五里(肝経)---大腿動脈
2.合谷(大腸経)---1背側中手動脈
3.豊隆(胃経)---前脛骨動脈
4.聴会(胆経)---浅側頭動脈



●問117五要穴で急性症状に用いるのはどれか。
1.孔最
2.列欠
3.太淵
4.魚際




解答
1

解説
急性症状に用いる五要穴は郄穴
1.孔最:肺経の郄穴
2.列欠:肺経の絡穴
3.太淵:肺経の原穴
4.魚際:肺経、五要穴にはあたらない。滎火穴であるがこれは五兪穴や五行穴のひとつ



●問118骨会はどれか。
1.肩中兪
2.大杼
3.
4.三陰交




解答
2

解説
八会穴の骨会は足の太陽膀胱経の大杼(第1胸椎棘突起下縁の高さ、後正中線の外方15分)である。




<参考>

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