2013年3月6日水曜日

上肢帯の筋(Muscles of pectoral girdle)



※上肢帯の骨(鎖骨、肩甲骨)から起こって上腕骨につく。
※支配神経はいずれも腕神経叢から分岐




棘上筋
起始:棘上窩(肩甲骨)
停止:大結節(上腕骨)
支配神経:肩甲上神経
作用:肩関節の外転
※棘上筋腱は肩関節包に癒合して関節を補強する。
※肩峰の直下を通る棘上筋腱の摩擦を軽減するため、棘上筋腱と肩峰の間には肩峰下包、三角筋との間には三角筋下包という大きな滑液包がある。一般にこれら2つは連続する滑液包である。
※棘上筋の腱や滑液包には、加齢とともに変性が起こり、石灰化や断裂などが生ずることもある。肩関節の外転によって肩に疼痛が生ずる(五十肩)

棘下筋
起始:棘下窩
停止:大結節
支配神経:肩甲上神経
作用:肩関節の外旋

小円筋
起始:肩甲骨外側縁
停止:大結節
支配神経:腋窩神経
作用:肩関節の外旋

三角筋
起始:肩甲骨の肩峰・肩甲棘・鎖骨の外側1/3
停止:三角筋粗面
支配神経:腋窩神経
作用:肩関節の外転(側方挙上)、屈曲(前方挙上)、伸展(後方挙上)
※肩から上腕上部にかけての肩の丸みをつくる筋。
※筋線維の方向によって前・中・後の3部に分けられる。前部は鎖骨から、中部は肩峰付近から、後部は肩甲棘から起こる。
※三角筋だけでは上腕を水平位よりも高く挙上することはできない。僧帽筋や前鋸筋などが肩甲骨を回転させ、肩甲骨の関節窩を上に向ける必要がある。
※三角筋中間部の線維は上腕骨の長軸方向と平行であり、腕が体幹に沿って下垂した状態で作用させても、単に上腕を垂直に引き上げるだけで直ちに外転できない。外転を始動させるには棘上筋の収縮が必要である。

肩甲下筋
起始:肩甲下窩
停止:小結節
支配神経:肩甲下神経
作用:肩関節の内旋

大円筋
起始:肩甲骨下角
停止:小結節稜
支配神経:肩甲下神経
作用:肩関節の内旋・内転
※大円筋と小円筋の間には隙間があり、腋窩の後壁に開くので腋窩隙といわれる。上腕三頭筋長頭によって内側・外側腋窩隙に2分される。特に外側腋窩隙には腋窩神経が通り抜けて小円筋と三角筋を支配する。

※肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋の4筋は、各腱が肩関節包の前後および上部に直接癒合して、関節を補強する回旋筋腱板ローテータ・カフ)を構成する。




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