2015年2月5日木曜日

指圧の基本手技とその作用

指圧は徒手を以って生体に対し体表より施術するもので、徒手による力学的刺激の度合を、加減調節することにより生体のいろいろな機能を亢進させたり抑制して、生体の異常を調える。
指圧法の基本手技は押圧操作と運動操作の2法である。






1.押圧操作
●押圧法
触れ方
①軽く軟らかく触れる。(基本法)
②軽く速く触れる。(知覚過敏のある部位に触れる場合など)
③軽く自然に触れる。
押し方
①緩増圧
極めて緩徐に警戒しつつ押圧する
②急増圧
刺激に対する防衛反応を少なくする
③漸増圧
基本法
離し方
①緩減圧
極めて緩徐に離す
②急減圧
反射を期待して急に離す
③漸減圧
基本法

●押圧法の三原則
1原則:垂直圧の原則
垂直圧は指圧における理学的刺激の基礎であり、人体に最も適合した、効果的な刺激を与えるには常に垂直圧を以って行う。
2原則:持続の原則
一定強度に押圧したらその圧を緩めずに、そのまま一定時間持続する方法。通常圧法では5秒から7秒間持続する。
3原則:集中の原則
術者の技術と精神を一致させることを期待したもの。施術中は全精神力を集中する。術者の患者の精神的な一致ということも重要である。

●押圧法の程度
軽圧法
気持ちがよいと訴える程度
快圧法
幾分痛いと訴える程度
強圧法
できる限り忍耐させる程度

●指圧の基本圧法
通常圧法
軽圧法から快圧法を加えながら、1点圧を3秒から5秒で、呼吸に合わせて押圧する。押圧する前に吸気で、押圧しながら呼気となる。軽圧、快圧は一般に機能の亢進に応用する。循環器系および自律神経系のはたらきを良くする。最も多く用いられる押圧である。
衝圧法
漸増圧で一定限度まで押圧し、そこで衝圧の圧度を定め、急に押して、すぐ放す圧法。衝撃圧による患者の防衛反応を少なくし、苦痛を最小限にし、通常圧法に比してよく反射作用を喚起する効果がある。
過度の衝圧や誤った方向への衝圧は、弊害をきたすおそれがある。
緩圧法
2段押し、3段押しともいわれ、軽、快、または軽、快、強と区切って押圧するので、比較的スムーズに圧操作が深部まで浸透し、慢性疾患や深部の筋の硬結に効果がある。患者に不安感を与えない。
持続圧法
主として手掌で押圧するので、皮膚面に広範囲に当るため温熱作用をもたらしめ、冷え症、下痢、腎臓、膀胱の異常などに効果がある。
吸引圧法
手指、手掌を皮膚面に密着させ、皮膚を吸い上げ、吸い寄せ、吸いつけるように回すといったテクニックで、三指または手掌、母指と四指ではさむように操作する。
顔面神経麻痺では三指を用い、内臓下垂では手掌を、腓腹筋が緊張しているときは
母指と四指を内側と外側にあて吸い上げるように操作する。その他、皮膚の萎縮、皮下脂肪過多、たるみなどに美容効果として作用する。この圧法は施術者の手掌全体がふっくらと発達して柔軟性と弾力性があることが求められる手技である
振動圧法
(バイブレーション)
振動効果によって圧反射を促す。圧を一定の強弱に保って1回、5秒から10秒、繰り返し操作する。決して強く押圧しながら振動を加えてはならない。微圧か軽圧で操作する。
腎臓、膀胱の異常、消化器系、脳細胞の賦活などに効果がある。吸引圧法と同様に熟練を要する。







2.運動操作
 指圧における運動操作は、健康増進に応用する運動法の一種とみなされる操作である。関節の可動性を応用して、生理的限界いっぱいに他動運動を行い、関節の運動を円滑にし、筋の硬化を解き身体の不均衡を回復する。




<参考>


0 件のコメント:

コメントを投稿