2013年2月8日金曜日

奇穴(頭頸部、胸腹部、背部)


1.頭頸部穴
Ex-HN1 四神聡(ししんそう)
取り方:頭部、百会(督脈)を中心に前後左右それぞれ1寸の部に4穴を取る。
主治:頭痛、眩暈、癲癇、精神病、中風

Ex-HN 3 印堂(いんどう)
取り方:顔面部、神庭(督脈)の下方、眉間中央陥凹部に取る。
※両眉間を結ぶ線の中点に取る。
主治:小児のひきつけ、鼻疾患、頭痛、眩暈、不眠症

Ex-HN 4 魚腰(ぎょよう)
取り方:顔面部、瞳孔の直上、正視させて、眉毛の中央の陥中に取る。
主治:眼疾患、眼瞼下垂

Ex-HN 5 太陽(たいよう)(別名:当容)
取り方:顔面部、眉毛の外端と外眼角との中央から後方1寸の陥凹部に取る。
※前頭骨頬骨突起後縁にあたる。下顎神経(三叉神経第3枝)が支配する。
主治:片頭痛、眼疾患、歯痛、顔面神経麻痺

Ex-HN 7 球後(きゅうご)
取り方:顔面部、外眼角と内眼角を結んで、外方から4分の1の垂線上で、眼窩下縁に取る。
※承泣(胃経)の高さに並ぶ。
主治:近視、視神経萎縮、視神経炎、眼瞼麻痺および痙攣

- 牽正(けんせい)
取り方:顔面部、下関(胃経)から下方に引いた垂線と、耳垂下縁を通る水平線との交点に取る。
主治:顔面神経麻痺、耳下腺炎、口腔潰瘍

- 夾承漿(きょうしょうしょう)
取り方:顔面部、承漿(任脈)の外方1寸に取る。
※オトガイ孔部、下顎神経(三叉神経第3枝)の枝が出るところにあたる。
主治:歯根炎、下歯痛、顔面神経麻痺および痙攣

Ex-HN14 翳明(えいめい)
取り方:頸部、乳様突起の下縁、翳風(三焦経)の後方約1寸に取る。
主治:老視(老眼)、近視、耳下腺炎、耳鳴、眩暈、不眠症



2.胸腹部穴
Ex-CA1 子宮(しきゅう)
取り方:下腹部、臍下4寸、中極(任脈)の外方3寸に取る。
主治:婦人科系疾患(月経不順、月経痛、不妊症、子宮下垂、子宮脱)、膀胱炎





3.背部穴
Ex-B1 定喘(ていぜん)(別名:治喘(ちぜん))
取り方:上背部、第7頸椎・第1胸椎棘突起間、外方5分に取る(外方1寸とする説もある)。
主治:咳嗽、喘息、蕁麻疹、上肢麻痺

- 巨闕兪(こけつゆ)
取り方:上背部、後正中線上、第4・第5胸椎棘突起間に取る。
主治:心臓疾患、呼吸器疾患

- 接脊(せっせき)(別名:接骨(せっこつ))
取り方:腰部、後正中線上、第12胸椎・第1腰椎棘突起間に取る。
主治:脊椎および脊髄の疾患、小児の腹部疾患(下痢、脱肛、しぶり腹)

Ex-B4 痞根(ひこん)
取り方:腰部、第1・第2腰椎棘突起間、外方35分に取る。
※第12肋骨の下縁にあたる。
主治:痞塊(肝臓・脾臓・膵臓などの肥大)、胃炎、腸炎、鼓腸、腰痛

- 下極兪(げきょくゆ)
取り方:腰部、第3・第4・腰椎棘突起間に取る。
主治:腰痛、下痢、腹部疾患、下腹部の冷え、生殖器疾患

Ex-B7 腰眼(ようがん)
取り方:腰部、第4・第5腰椎棘突起間、外方35分に取る。
※患者を直立または伏臥させて、あたかも両眼の如き陥凹部に取る。
※両手を上げて、体をひねると陥凹部がよく現れる。腰三角部にあたる。
主治:腰痛、生殖器疾患(特に精巣炎や卵巣炎)

Ex-B8 十七椎(じゅうななつい)(別名:上仙(じょうせん))
取り方:腰部、第5腰椎棘突起と正中仙骨稜との間に取る。
主治:月経痛、腰痛、妊娠による排尿困難、痔疾、下肢の麻痺

Ex-B2 夾脊(きょうせき)(別名:華佗夾脊(かだきょうせき))
取り方:背部、第1胸椎棘突起から第5腰椎棘突起までで、それぞれの棘突起下縁と同じ高さで、後正中線の両外方5分に取る。
※左右各17穴、計34穴ある。
主治:胸腹部の慢性疾患(特に肺結核)

- 四華(しか)
取り方:①患者を直立させ、長い細紐の中央部を大椎(督脈)にあてて頸に掛け、紐の両端をそろえて前胸部に垂らし、鳩尾(任脈)の部で切断する。②この紐の中央部を甲状軟骨の上にあてて背部に回し、下端をそろえて脊柱上にあたるところに仮点を取る。③この仮点に、別の短い紐で、患者の口を閉じさせ一方の口角から斜上方に鼻中隔直下を経て、他方の口角に至る長さを取り、④その中央部を前記の仮点にあてて上下の両端に2穴、左右の両端に2穴、計4穴を取る。
※種々の説がある。張介賓の四華の穴とする。菱形花ともいう。
主治:呼吸器疾患(特に肺結核・喘息)、心臓疾患

- 患門(かんもん)
取り方:①患者を直立させ、長い紐の一端を足の第1指先端に当て、しっかりと踏ませて紐を足底から足根部中央を経て上方に伸ばし、下腿後面正中を上行させて委中(膀胱経)に至ってこれを切る。②この紐の一端を鼻尖にあて、頭頸部および背部の正中線に沿って後方に垂らし、その下端があたる脊柱上に仮点を取る。③別に短い紐で、患者の口を閉じさせ一方の口角から斜上方に鼻中隔直下を経て、他方の口角に至る長さを取り、④その中央部を前記の仮点にあてて、左右水平に伸ばして、両端のあたるところに2穴を取る。
主治:呼吸器疾患(特に肺結核・喘息)心臓疾患




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