2016年4月14日木曜日

【生理学】 2.循環 D.心臓の構造と働き 【はり師・きゅう師の国家試験問題】

はり師・きゅう師の生理学の国家試験問題の『循環』の中から「心臓の構造と働き」に関する問題をまとめました。分類は東洋療法研修試験財団の「国家試験出題基準」を参考にしています。







D.心臓の構造と働き≫

b.心筋の特性
●問1(はき第2回問37
心臓でスターリングの法則を示す記述はどれか。
1.右心房に流入する血液が多くなると心拍数が増える。
2.右心房に流入する血液が多くなると心拍出量が増える。
3.左心室から流出する血液が多くなると心拍数が増える。
4.左心室から流出する血液が多くなると心拍出量が増える。























解答
2

解説
 スターリングの心臓の法則とは、「心臓への流入血液量が増え伸筋が伸展されると、心収縮力が増大する」という性質を説明したものである。この機構により、右心房に流入する静脈血の量(静脈還流量)が多いほど心臓の拍出量が増加する。よって設問2が正解となる。





●問2(はき第5回問45
心筋の特徴として正しい記述はどれか。
1.骨格筋より不応期が長い。
2.強縮する。
3.体性神経により支配されている。
4.絶縁伝導する。























解答
1

解説
1.
心筋は骨格筋より不応期が長い。よってこれが正解である。
2.
心筋は単収縮のみである。強縮はしない。
3.
心筋は自律神経支配である。体性神経により支配されているのは骨格筋である。
4.
心筋の各筋線維は隣接する細胞とギャップ結合により電気的に連絡しており、多数の心筋線維は同時に興奮してあたかも1個の筋線維のように働く。絶縁伝導するのは骨格筋である。
 骨格筋、心筋、平滑筋のそれぞれの特徴は以下の通りである。

骨格筋
心筋
平滑筋
筋線維
横紋筋
横紋筋
平滑筋
細胞間の興奮伝導
絶縁伝導
全体に広がる
ある方向に広がる
神経支配
運動神経
(随意的)
自律神経
(不随意的)
自律神経
(不随意的)
活動電位の
絶対不応期
短い
12ミリ秒)
長い
200300ミリ秒)
50100ミリ秒)
強縮
強縮が多い
単収縮のみ
ほとんどが強縮







●問3(はき第7回問37
心臓のスターリングの法則で正しい記述はどれか。
1.心筋が伸展されるほど収縮力は高まる。
2.心筋が伸展されるほど心拍数は増える。
3.流入血液量が少ないほど収縮力は高まる。
4.流入血液量が少ないほど心拍数は増える。























解答
1

解説
 スターリングの心臓の法則とは、「心臓への流入血液量が増え伸筋が伸展されると、心収縮力が増大する」という性質を説明したものである。この機構により、右心房に流入する静脈血の量(静脈還流量)が多いほど心臓の拍出量が増加する。よって設問1が正解となる。






●問4(はき第7回問46
単収縮のみを起こすのはどれか。
1.骨格筋
2.平滑筋
3.心筋
4.括約筋























解答
3

解説
1.
骨格筋は強縮が多い
2.
平滑筋はほとんどが強縮である。
3.
心筋は単収縮のみである。よってこれが正解である。
4.
括約筋は骨格筋由来のものと平滑筋由来のものが存在するが、どちらも強縮を行う。
 骨格筋、心筋、平滑筋のそれぞれの特徴は以下の通りである。

骨格筋
心筋
平滑筋
筋線維
横紋筋
横紋筋
平滑筋
細胞間の興奮伝導
絶縁伝導
全体に広がる
ある方向に広がる
神経支配
運動神経
(随意的)
自律神経
(不随意的)
自律神経
(不随意的)
活動電位の
絶対不応期
短い
12ミリ秒)
長い
200300ミリ秒)
50100ミリ秒)
強縮
強縮が多い
単収縮のみ
ほとんどが強縮







●問5(はき第8回問37
心臓のスターリングの法則で正しい記述はどれか。
1.心筋は伸展の度合いに応じた収縮力を発生する。
2.心筋は太さに応じた収縮力を発生する。
3.心筋は長さと無関係に一定の収縮力を発生する。
4.心筋は静脈環流量が少ない程大きな収縮力を発生する。























解答
1

解説
 スターリングの心臓の法則とは、「心臓への流入血液量が増え伸筋が伸展されると、心収縮力が増大する」という性質を説明したものである。よって選択肢1が正解となる。







●問6(はき第8回問45
心筋の特徴で誤っている記述はどれか。
1.強縮する。
2.絶対不応期は骨格筋より長い。
3.自動性をもつ。
4.自律神経支配を受ける。























解答
1

解説
1.
心筋は単収縮のみである。よってこれが正解である。
2.
心筋の絶対不応期は骨格筋や平滑筋より長い。
3.
心筋は自動的・律動的に収縮する自動性をもつ。
4.
心筋は自律神経支配を受ける。
 骨格筋、心筋、平滑筋のそれぞれの特徴は以下の通りである。

骨格筋
心筋
平滑筋
筋線維
横紋筋
横紋筋
平滑筋
細胞間の興奮伝導
絶縁伝導
全体に広がる
ある方向に広がる
神経支配
運動神経
(随意的)
自律神経
(不随意的)
自律神経
(不随意的)
活動電位の
絶対不応期
短い
12ミリ秒)
長い
200300ミリ秒)
50100ミリ秒)
強縮
強縮が多い
単収縮のみ
ほとんどが強縮








●問7(はき第13回問35
心臓の働きについて誤っている記述はどれか。
1.摘出した心臓は一定時間拍動する。
2.ペースメーカー細胞は一定リズムで興奮する。
3.刺激伝導系の興奮は特殊心筋線維によって伝えられる。
4.心臓の収縮に自律神経の働きは不可欠である。
























解答
4

解説

準備中です。しばらくお待ちください。









c.刺激伝導系
●問1(はき第14回問34
心臓の刺激伝導系について誤っている記述はどれか。
1.固有心筋からなる。
2.洞房結節にペースメーカー細胞がある。
3.房室結節は右心房にある。
4.ヒス束の興奮は右脚・左脚に伝わる。
























解答
1

解説

準備中です。しばらくお待ちください。















d.心機能の調節
●問1(はき第1回問36
正常成人の安静時1回心拍出量で正しいのはどれか。
1.約30ml
2.約70ml
3.約150ml
4.約300ml























解答
2

解説
 一回の心臓の拍動によって左心室から拍出される血液量を1回拍出量という。正常成人の安静時で1回拍出量は7080ml程度である。





●問2(はき第3回問37
心周期における等容性収縮期について正しい記述はどれか。
1.心室内圧は動脈圧より高い。
2.大動脈弁が閉じている。
3.心室内容積が増加する。
4.心室内に血液が流入する。























解答
2

解説
 等容性収縮期とは心室の収縮が始まってから、動脈弁が開くまでの期間である。すべの弁(房室弁と動脈弁)が閉じている状態で心室が収縮する。このため心室内容積は一定で心室内圧が上昇する。
1.
心室内圧が動脈圧より高いのは駆出期である。高まった心室内圧が動脈弁を押し開き、血液を動脈へ送り出す。
2.
上述の通り、等容性収縮期ではすべの弁(房室弁と動脈弁)が閉じている。よってこれが正解である。
3.
心室内容積が増加するのは充満期(流入期)である。房室弁が開き、血液が心房から心室へと流入するため、心室内の容積が増加する。
4.
解説3の通り、心室内に血液が流入するのは充満期(流入期)である。







●問3(はき第4回問35
第1心音が発生する心周期の時期はどれか。
1.拡張期の始め
2.拡張期の終わり
3.収縮期の始め
4.収縮期の終わり























解答
3

解説
 第1心音は収縮期の開始時に発現するやや低い周波数のやや長く続く音で、心尖部(心臓の下部先端)で聴取される。主に房室弁の閉鎖により生じる。筋の収縮音、動脈内の過流なども関係する。







●問4(はき第8回問38
毎分心拍出量が増える直接の原因とならないのはどれか。
1.一回心拍出量の増加
2.静脈環流量の増加
3.血圧の上昇
4.心拍数の増加























解答
3

解説
 1分間の拍出量を毎分心拍出量といい、1回拍出量×心拍数で求められる。
1.
上述の式より、一回心拍出量が増加すると、毎分心拍出量は増加する。
2.
静脈環流量の増加は、「心臓への流入血液量が増え伸筋が伸展されると、心収縮力が増大する」というスターリングの法則により、一回拍出量の増加につながる。よって上述の式より、毎分心拍出量は増加する。
3.
血圧の上昇は末梢血管抵抗の増加により拍出量の低下につながる可能性はあるが、直接的に、毎分心拍出量を増加させることはない。よってこれが正解である。
4.
上述の式より、心拍数の増加は毎分心拍出量の増加につながる。









●問5(はき第9回問36
心周期で房室弁が開放しているのはどれか。
1.等容性弛緩期
2.駆出期
3.等容性収縮期
4.充満期


























解答
4

解説

準備中です。しばらくお待ちください。








●問6(はき第12回問34
心周期の中で房室弁が開放しているのはどれか。
1.等容性弛緩期
2.充満期
3.等容性収縮期
4.駆出期



























解答
2

解説

準備中です。しばらくお待ちください。








●問7(はき第17回問32
心周期で心房内圧が心室内圧より高い時期はどれか。
1.等容性収縮期
2.駆出期
3.等容性弛緩期
4.充満期
























解答
4

解説

準備中です。しばらくお待ちください。









●問8(はき第18回問33
心周期における等容性収縮期について誤っている記述はどれか。
1.心室内圧は大動脈圧より高い。
2.大動脈弁は閉じている。
3.第1心音の発生時期と一致する。
4.心室内圧は増加する。



























解答
1

解説

準備中です。しばらくお待ちください。








●問9(はき第21回問33
徐脈がみられるのはどれか。
1.運動時
2.頸動脈洞圧迫時
3.精神的興奮時
4.発熱時
























解答
2

解説

準備中です。しばらくお待ちください。








e.心電図
●問1(はき第5回問36
心電図のQRS波が表す過程はどれか。
1.心房の興奮
2.心房の興奮消退
3.心室の興奮
4.心室の興奮消退























解答
3

解説
 心電図にはP、Q、R、S、T波と呼ばれる波が心拍動を伴って規則正しく出現する。P波は心房興奮、QRS群は心室興奮開始、T波は心室興奮消退の過程を表す。
1.
心房の興奮を表すのはP波である。
2.
心房の興奮消退はTa波として記録されることがある。
3.
心室の興奮を表すのはQRS群である。よってこれが正解である。
4.
心室の興奮消退を表すのはT波である。







●問2(はき第22回問33
心房から心室への伝導時間を表す心電図成分はどれか。
1.PQ時間
2.QT時間
3.PP間隔
4.RR間隔























解答
1

解説

準備中です。しばらくお待ちください。








f.心臓の神経支配
●問1(はき第5回問37
心臓迷走神経について誤っている記述はどれか。
1.延髄に起始する。
2.洞房結節に分布する。
3.活動が高まると徐脈となる。
4.房室弁の開閉を調節する。























解答
4

解説
 心臓迷走神経は延髄より出て洞房結節と心房に分布する。迷走神経活動が亢進すると心拍数の減少、興奮伝導時間の延長が起こる。
1.
心臓迷走神経は延髄に起始する。
2.
心臓迷走神経は洞房結節に分布する。
3.
心臓迷走神経の活動が高まると徐脈となる。
4.
心臓の房室弁の開閉は心房と心室の内圧の変化によって行われる。







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